阪神淡路大震災を他人事にしない企画
天理消防署に聞く
 
 
肩書き・役職・学校学年等一切の表記は、掲載時のものです》(1995年夏の号掲載)
 

 未曾有の大災害となった阪神淡路大震災。「関西に大震災はない」との定説は見事に崩れた。そして身近な言葉となったのが「活断層」。奈良県北部にも、幾つかの断層があった。中でも天理の東の山裾を南北に走る「天理撓曲(とうきょく)活断層」は、奈良盆地東部では最も活動的だとか!「もし天理で地震が発生したら」。そんな事態を想定して、天理消防署を訪ね、防災計画、市民へのアドバイスなど尋ねてみた。 ※2月6日のインタビューです。本誌発行の遅れによる齟齬は御容赦下さい。

 
---もしもその時どうする? ---
山下

 天理の防災態勢。計画はどうなってますか。

吉本

 天理市でも「地域防災計画」というものを策定し、 食料の備蓄、避難所や仮設 宅の設定など、震災に対する計画が定められていま す。詳しくは市役所でお尋ね

吉本 紘夫−消防指令
(1係当直司令)

さい。私たちはその中で、「消防部」を担当し、計画の中でも災害の規模に応じて、「初動」「1次」「2次」「3次」と出動体制を整えるよう決められています。地震の際に起こる様々な事を想定して具体的に計画されていますが、今回のような大規模災害を目の当たりにし、神戸と奈良という地域的な違いはありますが、「細 かいマニュアルが手薄ではなかったか」な ど見直す 点もあるようです。

---大震災に出動も?---
山崎義彦−消防指令補
(警防係長)

村越

 天理消防署からも阪神大震災の消火・救急活動に参加されたのですか。

山崎

 奈良県消防本部の要請を受け、山辺広域行政事務組合消防本部(天理市、月ヶ瀬村、都祁村、山添村、川西町、三宅町、田原本町の各自治体の消防組織で構成)から8人ずつの署員が出動。須磨消防署管内で消火・救急・救助活動をしました。その中で1人の生存者を救出しました、また、救急活動は特に忙しく、当組合消防本部の救急車は1月17日までで23回出動しました。

 

 

山崎

 消防活動は、皆さんテレビでもご覧になったように、水利不足、交通渋滞などで、ほとんどお手上げの状態でした。

---天理の消防態勢は?---
看護学生 村越清実さん
会社員 山下吉生さん

山下

 現在の消防態勢についてお聞かせ下さい。

吉本

 天理消防署には52人の職員がおり、毎日17人が交替で勤務しています。火災が発生すれば、3台の消防車で初動体制をとります。火災の規模に応じて、非常呼集し2次、3次と体制を強化していきます。3次出動となると、全職員を呼集します。職員は休みの日であっても、24時間居場所がわかるようなシステムを整えています。また、市内には312人の消防団員がおり、随時、消火活動に参加して下さいます。そうした団とも協力・連絡態勢を整えています。また、県北部の各市と相互応援協定を結び、大規模火災には奈良市、生駒市、大和郡山市から、消火・救急活動の応援に駆けつけてくれることになっています。

---もし地震が起きたら?!---
村越

 防災意識を高めるために、市民はどんな努力が必要でしょうか 。

吉本

 毎年9月には防災訓練を実施しています。まず、これに積極的に参加していただきたい。この時には「起震車」という地震を体験できる車を配置しています。車の中は、テーブルやガスコンロなどがあり、地震が起きたとっさの時の動作を訓練できます。起震車もご要望があれば、出向くこともできます。

山崎

 また、「ママさん防災講座」を開催しています。これは月1回、講座を受講していただくものですが、家庭内での防火知識や地震の知識、起震車での地震体験など計7回の講座があります。年間の募集は30人程度ですが、講座を修了された方は婦人防災クラブとして地域の防火・防災の中心となって下さっています。市の広報紙『町から町へ』で募集しますので、注意してご覧ください。 また、学校や事業所で10人以上の方が集まってくだされば、こちらから講師が出向いて、応急処置や応急手当の講習も行います。こうした知識や技術を習得しておけば、いざ、という時、尊い命を救うこともできますし、ボランティアとして活動するときにも役立つと思います。

山下

 地震が起こった時、どんなことを心がければよいでしょうか。

吉本

 次のことを心がけてください。
1)停電に備え、懐中電灯、ラジオの用意をする。
2)家具の下などに身を寄せ、落下物に備える。
3)狭い道、塀ぎわ、崖・川べりに近付かない。
4)火の始末をする。
5)人命救助が第一であるが、まず消火をする。
6)自動車による避難はなるべく避ける。
7)デマに振り回されず、正しい情報を得る。
8)協力し、助け合いの精神をもつ。
9)避難する時は、貴重品のみを持ち出し、身軽に行動できるようにする。

山下
村越

 ありがとうございました。

 
 

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