目指せシドニー五輪 
奈良県立山辺高校
 射撃部の皆さん
 

 いよいよアトランタオリンピックが開幕。4年に一度の“スポーツの祭典”に、世界中がテンヤワンヤの大騒ぎ。17日間に全26競技が行われる予定だが、その中の一つ、「射撃競技」で五輪出場を目指す高校生たちがいる…、と聞いた(といっても、西暦2000年のシドニー大会のことだけど)。
…というわけで、明日の日本を代表する(かもしれない)五輪選手の“タマゴ”たちを訪ねてみた。

《肩書き・役職・学校学年等一切の表記は、掲載時のものです》(1996年夏の号掲載)
ここは月面?

“シドニーの星”たちが通うのは、山辺郡都祁村の県立山辺高校。けっこう山奥なので、熊や猪を標的に練習に励んでいるのかと思いきや(失礼!)、鉄板を張り巡らしたプレハブの中。かなり本格的な設備が整っており、期末テストが終わった今、彼ら(彼女ら)はインタハイに向け、黙々とトリガーを引いていた。「ここは月面か!」。室内に入った記者が、まず驚いたのが選手たちの格好。厚手の上下に身を包んだ雰囲気は“宇宙服”そのもの。まるで“アポロで月面旅行”(古い!)した気分にさせられた。
「1試合が75分。その間、ずっとライフルを構えているわけで、体が固定されるユニフォームはとても便利」と、笑顔で応えてくれたのは、キャプテンの植加奈子さん(3年)。“宇宙服”からかわいらしい顔を覗かせ、真剣な眼差しでライフルを構える姿(取材日は女子部員がほとんどでした)は、いかにも、カッコイイですなぁ。

危ない!

 美しい横顔に目がくらみ、すっかり使命を忘れ、カメラを構えズリズリと前へ進む記者。突然、変質者をとがめるような声で、「危ないから止めてください!」と、注意されてしまった。何でも競技で使用するエアライフルの威力は、10メートル離れた電話帳(厚さ約4センチ)をぶち抜くほど。約5ミリの鉛玉が使用されており「殺傷能力もある」らしい(!!)
 さて、本題。高校生が競う競技は、エアライフルとビームライフルの2種類。後者には実弾はなく、ビーム(光線)が飛び出す、ということ。
 1試合60〜70発撃ち、標的に示された得点数(1〜10点)で勝ち負けを決めるわけだ。標的は直径4センチ。中央の10点はわずか5ミリしかない。これを10メートル離れたところから、1時間以上も撃ち続けるのだから、ほとんど“神ワザ”。体力よりも、極度な集中力とメンタル面のタフさが要求されるだけに、選手達の日ごろの努力には、ホントに頭が下がりマス。
 かつて、インタハイで4連破した実績も持つ同校。「今年は実力派ぞろい。ぜひインタハイで日本一になれるように、がんばりたい。オリンピックも、できれば出場したいですね」と植キャプテン。選手たちの“照準”は既に、世界に向けられている。同校出身の選手が“世界の桧舞台”で活躍する日が、楽しみだネ。 byや

←戻る

リストへ
次へ→