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でんぐり返し、ひっくり返し、見返し、やり返し……。「返し」にもいろいろあるけれど、「車返し」ってのが天理にあると聞いた。何だろ? 車がひっくり返るのか、それとも引き返すのか。もしや忍者の必殺技か?
その場所は、天理警察署の前の道を北に渡って北西にほんの少し入ったところ。田部町の旧街道沿いにある、変な三角地帯。三方向どちらから来ても通行可能だが、初めて車で通りかかるとちょっと戸惑う。「それで車返しなんだろうか!?」と思っていたら、全然違った。
この地が、「田部村」だったころの字(あざ)名で「車返」というとか。近所のお菓子屋のおじさんに尋ねると、「今は住所(地名)としては残ってないけれど、昔は車返と言ってね、伝説だけが言い伝えられているんよ」との事。「エッ!伝説?」ということで、さっそく調べてみた。
白川天皇(1072〜86在位)の使いの者が、多武峰(とうのみね =談山神社、現桜井市)、大和神社(天理市)、石上神宮などへの参詣の途次、車に乗ってここを通ったら、車が転んだからと。この時の車は、多分牛車だろう。また、竜王山城の城主が、北へ向かう車を引き返した所、とも伝えられている。いずれも伝説なので、真相はわからない。
しばらくそこにたたずんでいて、ハッと気が付いた。変な三角地帯であるために、ここでたとえ道に迷ったとしても、わざわざバックしなくても、ぐるっと回って引き返せる。これぞ車返しではないかと……。ちょっとこじつけがましいかな。by.Mori
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