第2話 意外な特産物
(1994年夏の号掲載)

 天理で暮らし始めて、ちょっと気になることがいくつかある。
 その一つが、靴下を売る店だ。靴下だけを売る店なんて、全国でも、そうざらにあるもんじゃない。ところが、天理駅前にもあったし、天理本通り商店街にもあった。Tシャツなんかも置いてあるけど、靴下がメインの店なんて、そうあちこちで見られるもんじゃないと、つくづく思う。いったいどうなってんの、この町の商売は?
 という素朴な驚きから、その“不思議”を調べてみたら、なんと奈良県の靴下生産は全国1位なんだって。天理市が生産地ではないけれど、各種平均で約30パ−セントのシェアなんだってさ。知ってた?
 店に入ると、とにかく安い。それでいて種類が豊富。物によっては、非常に丈夫。だって、非常な“安物買い”のクセに、私の衝動買いを「安物買いの銭失いって言うのよ」などとのたまうカミさんが、他所から遊びに来た友達を連れて買いに行く。ふじや靴下の店頭しかも、里帰りの土産も、靴下!なるほど、奈良漬が苦手な人はいても、靴下はかない人はまずいない(奈良漬屋さんゴメンナサイ)。特産品なら、遠慮なく、思わずまとめて買っちゃうもんね。
 どうして発展したか、その詳しい歴史は知らないけれど、大正時代の終わりごろから急速に発展したらしい。ま、靴下は日常生活の必需品、かつ消耗品だから、安くて丈夫なことに決して不満はない。
 貴方も、お土産に活用しては!?

 
 
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