(1996年春の号掲載)
 

大和神社 春を告げる、我が町、天理の有名な祭りに、「ちゃんちゃん祭り」というものがある。「祭り始めは“ちゃんちゃん祭り”、祭り納めは“おん祭り”(春日若宮=奈良の祭)」と古くから謡われ、“大和に春を告げる祭り”として有名なのだ。
 4月1日、白い浄衣(じょうえ)に身を包んだ面々が大和神社を出発して成願寺、兵庫、長柄、岸田、佐保庄、三昧田、萱生、中山と天理市南部の各町を練り歩く。途中、鉦(かね)をチャンチャン鳴らしたのでその名がついた。
 ここに登場する大和神社は「おおやまと」神社と読む。JR長柄駅の南東、新泉町にひっそりとたたずむ。普段は鬱蒼(うっそう)と木の生い繁る静かな所で目立たないが、大和朝廷の時代からの由緒正しき神社。明治時代には、官幣(かんぺい)大社に列せられていた。つまり、“国立”の神社というわけ。
 官幣大社だけに、戦前は軍事政策にも利用された話大和神社参道がある。近くに飛行場が建設された時、幾機かの軍用機が神苑に隠されていたとか。
 また、昭和16年、かの戦艦「大和」が完成した時、船霊(ふなみたま)としてこの神社の分霊が「大和」に祀られた。船長以下数名の指揮官が、密かに何度か参拝に訪れ、武運長久(ぶうんちょうきゅう=戦での運が長く続くこと)を祈願したという。
 時代を経て、松本零士の描いた「宇宙戦艦ヤマト」にも祀られていた(?)かどうかは定かではない。  ともあれ、大和の国の地主神、つまり守護神とも崇められた神社。参道の両脇の森は少し寂しいが、一度訪ねてみてはどう?by.masa

  【写真】大和神社拝殿(上)、神社参道(下)

 
 
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