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石上神宮から南へ、「山辺の道」を歩く。内山永久寺跡を過ぎてさらに南に行くと、四季の花の寺として有名な「長岳寺」がある。天長元年(824年)、淳和天皇の勅願によって弘法大師が大和神社の神宮寺として創建。隆盛期には内に48の坊(住居)を構え、300余人の僧が住んでいたという。真言宗高野派に属する。栄枯盛衰の歴史とともに、いくつかの建物が消失しているが、明治維新の廃仏棄釈(はいぶつきしゃく)の嵐を乗り越えて生き続けている。
大門をくぐって玉砂利の道を行くと、わが国最古(!)の鐘桜門があり、上層に鐘を吊った形跡がある。創建当初の唯一の建物で、国の重要文化財に指定されている。天明3年(1783)に再建された本堂には、本尊である阿弥陀如来・観世音菩薩・勢至菩薩の三尊のほか、 多聞天・増長天の木像(いずれも重要文化財)が安置されている。
また、毎年秋に開帳される狩野山楽筆の大地獄絵も圧巻。タテ4m・ヨコ11mの大画面いっぱいに、三途の河、八大地獄、餓鬼・畜生などが描かれている。
四季の花々も多彩。春は桜・つつじ・かきつばた・夏は酔笑酔蓉(すいふよう)・あじさい、秋は紅葉(もみじ)・かえで、冬は薮椿(やぶつばき)。味どころも備え、そうめん・抹茶・麦らくがん・甘酒などが楽しめる。そうめんは、夏は冷やし、冬はにゅうめんと有名。
如来・菩薩に祈りを捧げ、目で花を楽しんで、味覚も楽しみ、大和青垣の裾野の静かな空間で心をゆったり落ち着かせる。ことのついでに、寺内で四国八十八ヶ所もできちゃうという誠にありがたい寺だ。by政
【写真】平安時代、弘法大師創建時からの鐘楼門。
※重要文化財に指定されている (長岳寺)
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