天理教の黒いハッピを着たガイジンが、自転車で商店街を走る――。金髪の柔道マンが食堂でカツ丼をかきこむ――。そんな風景も、この街では珍しくない。 『世界たすけ」を掲げる天理教は、1996年11月現在で世界33カ国・地域に布教拠点を有している(『改訂天理教事典』より)。このため、参拝、天理大学日本学科や天理教語学院への留学、柔道などのスポーツ交流、音楽交流と、年間を通 してさまざまな目的で海外各国からの来訪者がある。 そんな世界的視野を背景に、昭和29年に市制を敷いた天理市は2年後の昭和31年に「世界連邦都市宣言」を市議会で採択。「天理市が宗教文化都市として、新市発足と共にその存在を中外に明らかにしたが、ここに人類の福祉増進のため、全世界の平和を確立せんとし、自ら世界連邦都市たることを決意する」とうたった(『改訂天理市史』上巻より)。 その後、天理教の人的交流の上に、昭和41年にチリのラ・セレナ市、45年にブラジルのバウルー市(天理教ブラジル伝道庁所在地)と相次いで姉妹都市提携を行っている。