00.11.02.


田崎真也が選ぶ
毎日飲むワイン
3000円以下のワインのおいしいワインを楽しむ


発行:新星出版社


1998年5月25日発行
 

定価:1,500円+税

 もっと早く、読んでおくんだったと、後悔。あー、先にたたず。でへっ、酔眼朦朧、読みつつ飲みつつ「初めてワインを飲んだの、いつだったけ?」

 果実、じゃなくって過日、神戸市営のワイン城に行ってきた。がっかり (*_*; 。
 数年前から、「行きたいね!」「行こうよ!」って言っていたのに、季節外れなのか(でも10月初旬だよ)、裏寂れた雰囲気で“さぶい!”。
  で、いいワインにはいい料理と、期待のレストランは、値段だけは「そこそこ」するのに、味・見栄え・雰囲気・その他もろもろ↓↓、従業員(お姉さんはましだったけど)のサービス態度↓、
 しかも、 期待のワインに至ってはモウ↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓----アハッ!残念! 無念! 悔しい金と時間返せぇ!

<!-- どうも日本シリーズ中なので、newsを聞きつつやってると!が増えるよねぇ>

 そーれから?日後、フランス産のブランデーを嘗めつつ本書を開いて、「シマッター!」と、叫んでしまったのでアリマシタ。この本を事前にちゃんと読んでおきゃ、自信持って、も少しは薀蓄(うんちく)垂れられたのに----。

 ワタクシ、知らない事はシラナイと正直に言おうと常々思っております。「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」と、しつこく親に言い聞かされて育ち、知らないことはシラナイ、だから「おせーて」と素直に言おうと、そう肝に銘じております。

 しかしながら、同伴者が女性、それもすこぶるつきの“いい女”だったりする日にゃぁ、もぉー!薀蓄たれまくり、知ったかぶり、聞いたかぶり----。
  まぁ、エエ格好したがるわけで。乏しい脳味噌の中の記憶をほじくり返し掘り返して、垂れるたれる。「まぁ、よく知ってるのねぇ」なんて言ってくれる訳でもないのに、むやみに張り切ってしまったりして。

 というのも、本書は実にカラフル、カラー写真や図版が盛りだくさん。「赤ワイン用品種」「白ワイン用品種」なる写真ページもある。

 そこで思い出したのが、ワイン城での収穫。“何もいいことは なかった”(ここのフレーズ、谷村シンジ風に)けれど、あるとすれば葡萄畑を散策したこと。収穫の終わった葡萄の樹々を縫って歩いて。すると、採り損ねたのか忘れたのか、置いておいたのか、--それとも収穫の後で実を結んだのか----。小さな房がところどころに残っていた! 

 もちろん、その粒を一つつまんで口に。好奇心いっぱいの同伴の彼女が、 「小粒で皮が固いね。種も大きいねぇ」って。「うん。でもフルーティーな香りがするねぇ」と、これ私。畑から、畑をたどり、表示された品種名を見ながら、次々と口にふくんでみた。果皮の色、味、香り、それぞれ少しずつ違う。できあがったワインはがっかりだったけど、初めての経験で、元をとった気分だった。

 本書「ワインに合ったブドウ―醸造用ブドウはおいしくない?」には、次のように記されている。
 醸造用のブドウにとって大切なのは、糖と酸を多く含んでいるということ。そして、赤ワイン用なら果皮の色素が濃く、渋味のための適度な種子の量があることです。
 なぜならば、糖分は、発酵することによってアルコールとなり、甘味は、アルコールに変わります。そして、酸味や苦味は、ワインの味わいを引き締める重要なポイントになるのです。また、果皮に含まれた色素は、濃いほどに、深みのある色調の赤ワインとなります。
 このような条件を満たした醸造用のブドウの糖度は、実際には、食用ブドウの糖度よりも数値が高いものの、酸味が多く、皮に含まれた成分の渋みや苦味が強いために、食べてみても、食用のブドウほどは甘味が感じられません。逆にいえば、食用のブドウは、酸味や苦味が少ないため、甘味を感じやすいというわけです。
 でも、(醸造用のブドウも)皮が少し固く種子が多いことを除くと、また違ったおいしさがあります。
―本書16pから

 そうたしかに、ほんのり香って、いいカンジだったっけ。でね、その畑はもちろん、果物用の葡萄棚じゃなくって、2mあまりの高さの樹々が、1mほどの間隔をとってズラ-ッと並ぶ、テレビかなんかで見たヨーロッパ風。土地がなだらかに起伏してるから、樹々の頂きもその通りの曲線を中空に形づくってる--。遠目に見ると、フランスかどっかの農村にいるみたい。

 うーん満足。実にロマンチックな気分。丘の向こうに北神戸のビル群が見えなきゃ、もっといいのになぁ。それから、カラスと、柿の木畑(あたし、柿が苦手で)。それから、バラ園もあったよ。おまけ。

 それから、今回もまた、本のページを繰りながら、目からウロコ―ぽろぽろ。だって、前回の『今夜から日本酒がうまくなる』とおんなじ真理!(オウムじゃないよ)が書かれてあるんだもの。

 曰く、ワイン用の葡萄を育てる秘訣は、「やせた土壌が一番」「肥えた土壌はダメ」だって。飽食、過食、かまいすぎ、妙に捻じ曲がった17歳があちこちで湧き出るご時世には、何とも象徴的な、耳の痛ーい話だよねぇ。

 野菜作りにとって条件が良いとされる、地表にたっぷりと栄養のある土壌でブドウを栽培すると、樹はどんどん成長する一方、根はあまり成長せず、根から摂る養分も少なくなってしまいます。ところが、地表近くの土から供給される養分が十分でないと、何とか栄養を吸収しようとばかりに、根は深く伸びていきます。一粒一粒エキスの凝縮された、充実したブドウを作るためには、こうして根を深く広く張らせて、土中からしか得られないミネラルの助けを借りる必要があります。
 ブドウもまた、人間同様、苦境を乗り越えて、初めて、強くたくましい樹となり、充実した実を結ぶことができるというわけです。

 日本酒もワインも、日と水と風、つまり大自然の恵みが“決め手”。大自然の恵み、その身いっぱいに抱いて、その時点で酒になるときの価値・性質の大半が決まる。人のもつ技術は、その果実のもつ力をいかに無駄なく引き出し、いかに芳醇に醸すか----いったところに留まる。つまり、手を添えるだけ。

 だから、技術がいくらあっても、天然自然の恵みのいかんでは、どうしようもない場合すらある! 葡萄をさらに芳醇に醸したブランデーの香を口腔に含みつつ、何度も何度も、そう口ずさんでみた。

 さて、本書。ワインの造られ方、世界ワイン地図、味・色・香りで類別したワインカタログ、家庭料理に合うワイン----と、興味深い情報がいっぱい。 データは2年前だけど、いま店頭で見る価格とそう大差はない(中には安くなってるものもある―)から、カタログとしても、今でも十分、役に立つよ。

 本書の末尾、いわゆる“付録”では、「どんなお店で買ったらいい?」 「ラベルの年号は?」 「ラベルには、どんな情報が記載されているの?」 「コルクの上手な抜き方は?」 「一番おいしく飲む温度は?」 「ふさわしいグラスは?」 と、まぁまぁ、実に至れり尽くせり。

 痒いところに手の届く、ビギナーのための一書だと、またまたいつものように感謝!した次第。

 OK! オッケー? こんど、薀蓄たれながら飲んでみよ。でっ、どこ行こ。

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