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発行:医歯薬出版株式会社 1999年5月10日 第1版第1刷発行 定価:2,400円+税 |
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心・身を診る。そんな当たり前のことに、あらためて気づく----。そんな本が出た。糖尿病への取り組みに、新しい光が射し始めた |
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――糖尿病を治療していくとき、いろんな感情に出会います。「なぜ私だけが」という怒りや恨み、合併症や低血糖への恐怖、「誰もわかってくれない」という孤独感、「何もかもいや」というゆううつ、血糖コントロールがうまくいかないときのイライラ、そして糖尿病やそれ以外の日常的なストレスなどです。また、糖尿病をもつ人たちを支える人たちも、どのように力になればいいのかと悩むことがあります。 本書は米国糖尿病学会で刊行されたTEXTを、翻訳したもの。だから、医療制度や生活習慣など、一部、日本人患者にはそぐわないものもある。しかし、それを補ってあまりある、示唆に富む内容が満ちている。
その成果の上に、その元となった“本場”のTEXTを翻訳することになったのだ。 帰国後さっそく、石井部長は“こころのケア”に取り組み始めた。だが、大病院に多数の患者が集まる現状では、3時間待ちの3分診療といった状況は全国の高機能病院に共通。しかも、カウンセリングを含む治療は、時間がかかり、いまの医療保健制度では、なかなかペイしにくい。 そんな中で、石井部長の取り組みを可能にしたのは、宗教を基盤に置き、心と体、さらには生活者としての病人そのものを診ようという「憩の家」だったから---と石井部長は言う。彼自身は信仰者ではないというが、その物腰、視点、ことば使いの端々に、人に寄せる慈しみがにじみ出ているように思う。男女をとわず、石井部長を指名して来院する“ファン”が少なくないというのも、わかるような気がする。 いま、インターネット上で、「糖尿病」をめぐる学会や研修会のプログラムを検索すると、石井部長や「憩の家」のスタッフたちの名前に出会うことが少なくない。病を治すことのみに急だった我が国の医療界でも、病だけでなく病人そのものを見つめ、こころを見つめ、暮らし振りに思いを届かせた医療が始まろうとしているようだ。 そして本書は、糖尿病だけでなく、腎臓病や肝臓病、高血圧など、さまざまな病で生活に制限がかかっている人とその家族にも、大きな示唆を与えてくれる。一読を薦めたい。 最後にあらためて、石井部長らの先進的な取り組みに感謝し、敬意を表したいと思う。 |
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