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小雪が舞っているのに、大和盆地の上空は雲間に青空が透けて見える。だが、九州、山陰、近畿地方北部、北陸は豪雪とか。“暖冬”の予報はあっさり外れて、観測史上稀有の最低気温やら、35年ぶりの積雪が報じられている。雪に強いはずの北陸から、農業用ビニルハウスの倒壊が相次いでいると報じられた。
空の便もきょうは、大きく乱れた。北国の空港ならいざ知らず、西国の空港が雪に弱いのを責めるわけにはいかないだろうなぁ。そう思いながら見上げた空に、夕日を浴びる機影が見えた。大阪伊丹空港に向かう便だろうか。唐突に、数日前、同じように見上げたJASのレインボー7が脳裏に浮かんできた。独特の虹のリボンが、冬晴れの空で輝いいたっけ。
ところで、かのライト兄弟が人類最初の動力飛行に成功したのは、いつだったか知っています? 何と1903年。つまり20世紀初頭。近々100年の間に、航空機は何と大きく進化したことだろう。この一世紀の間に、飛行機は発明家や冒険家の乗り物ではなくなり、日常の移動手段となった。20世紀が、さまざまな括り方の一つとして「科学技術の世紀」と称されたのも、頷けるように思う。
本書はそうした20世紀の航空機を巡るエポックを概観し、近未来にまで筆を伸ばしている。
航空機は、新材料から情報処理技術にいたるまで、最新の工学の粋を集めてつくられるものであり、空気力学、燃焼科学など、科学技術の成果が外から触れてもわかる格好の題材である。―「まえがき」から―
ライト兄弟の業績と一生を概観し、プロペラからジェット、垂直離着陸機と航空機の進化をカバーし、旅客機開発の裏側を覗き、軍用機の発達しを眺め、さまざまな航空事故を振り返る。ハイテク(コンピューター)と人との相克、安全なのは人かコンピューターか? まさに20世紀ならではの課題だったろうと思える。
「航空事故」の章ではなく、「第7章 飛行機はどこまで進むか」の4項に、かのコンコルドに関する記述があった。
初飛行は1996年3月2日で、1970年から就航した。全体で16機がつくられ、14機が就航したが、20年以上経って、そろそろ引退の時期になっている。―(略)―
しかしながら、1970年運行開始以来、一度も事故を起こしていないという実績は次第に高く評価されてきている。―(略)―いずれにしても初飛行後25年にわたって、無事故という実績は見直されるべきであろう。
かの悲劇を知ってから、この一文を読み返すには、痛ましく、辛いものがある。そして次項「ポストコンコルドのSST」では次のように記す。
現状では、金属疲労などの原因で、コンコルドがそろそろ引退する時期を迎えているのに対し、他方で、新しい高速旅客輸送の需要が高まっている。―(略)―
SSTのエンジンは、やはり三角翼の後端につくが、推力はボーイング747についているエンジンよりは、やや大きいものになる。―(略)―
エンジンふたつを組み合わせて、これをひとつのナセル(エンジン・カバー)に入れ、双発のようにする案も考えられていたが、結局は4個のエンジンを切り離して、別々に搭載する形であろう。これはエンジンのひとつが故障(たとえば出火や爆発)したときに、その影響がほかのエンジンに及ばないようにするフェイル・セーフのためである。
今回の事故を予測していたような、結論。著者の慧眼に、あらためて敬服したよ。
同じ「第7章 飛行機はどこまで進むか」の中には、客席増の未来予測もある。その中に―ドイツ・エアバスでは、A3200として、全面的に胴体断面を大型化した総2階建ての旅客機を考えている―とある。
2000年6月23日、ロンドン発ロイターは「エアバス社の『空飛ぶリムジン』で快適な空の旅を」と題して、総2階建て超大型旅客機『A3XX』の製造開始を報じ、「イギリス実業界の大物で英ヴァージン・アトランティック航空のリチャード・ブランソン氏は同日、555人乗りのこの超大型機は、標準的な旅客機よりもむしろ客船に近い豪華さを提供することができるだろう、と語った」と伝えた。
http://www.hotwired.co.jp/news/news/business/story/20000628106.html
近藤先生、あなたは偉い!
でも新しい世紀、空の旅は、どう変わるのだろう----。乗りたいね、『A3XX』
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