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 旅客機雑学ノート
フライ・ハイ
―空の旅がもっと楽しくなる本


          中村浩美 著



発行:ダイヤモンド社

1995年11月17日
  初版発行


定価:1600円+?

旅客機のうんちく、機内の仕組み、整備、運航、空港…。空の旅に関する情報が何から何までどっさり。うれしくなった。

 信仰上の目的で、月に一度実家に帰る。大阪の伊丹or関西空港から、わずか1時間45分で、銀色の翼はのどかな亜熱帯の島に運んでくれる。ほとんどが、日帰り。だからだろうか、もう10年近く経つのに慣れるということがない。島に着いた時も、大阪に帰ってきた時も、何となく不思議な感じ。冬場なら、粉雪の舞う大阪から春先の陽気に、そしてまた雪の中へ。早春や晩秋には降り立った大阪空港で、汗の染みた半袖シャツの上に上着を羽織る…。異次元を旅したような気分すらする。

 ほかに、仕事の都合で飛行機を使うこともあるし、実家への旅もダイヤの都合で鹿児島空港で乗り継ぎなどという事がある。昨年は、数えてみたら55便も旅客機のお世話になった。機種も10人乗り位の単発レシプロ機から、鶴のようにスマートなMD81、90、ハイテク最新のMD11、ボーイング737、767、747、777、エアバスA300、320…。乗ったなー、というのが実感。それでもいつも、搭乗口でボーディングチケットを差し出すとき、ちょっと胸がときめく。

 本書はそんな“月例飛行”の朝、関西空港の書店で購入したもの。一度に読んでしまうのが惜しくて(ビールに酔って機内では寝ている時間の方が多かったから、という説もあるが…)、飛行機に乗るたびに拾い読み。結局、半年ほどは鞄に入っていたと思う。

 読んでうれしいのは、なんで? どうなってるの? を解きほぐしてくれること。それもそのはず、著者は航空評論家の中村浩美さん。『航空ジャーナル』編集長を経て、評論家・科学ジャーナリストになった人。テレビのキャスター、レポーターなどもしていたから、写真を見れば、「あー、あの人」という有名人。TBSラジオの「全国こども電話相談室」の回答者も務め、「飛行機はなぜ飛ぶの?」なんていう質問に分かりやすく回答していた人だから、私たちの思いも及ばなかったところまで視線を走らせて、懇切丁寧に「ほら、スゴイだろう!」と情報を出してきてくれる。

 そもそも、空を飛ぼうという機械なわけで…。何よりも“落ちない”という安全性の確保が第一。地上を走る車なら、エンストしても道端に止まればいいけど、飛行機がエンストしたら落ちるしかないもの。そして、やはりお金をとってお客を運んでいるわけだから、狭い空間での快適性(&経済性)の追求がその二の課題となる。だから、旅客機やその運航をサポートするシステムには常に、その時々の最新の技術が山と盛り込まれている。

 本書の情報でも、たとえばは、客室でも3重構造になっているとか。曇り止め用の空間をはさんで、アクリル系の樹脂を3枚装着! 正面から砂塵や雹(ひょう)、時に鳥が突っ込んでくるというコクピットの窓は、数10ミリもある分厚い積層構造(5層)になっているという。
 またエンジンは信頼性が飛躍的に高まっており、飛行中にすべてのエンジンが止まる恐れは10億時間以上に1回とか。たとえ片方のエンジンが止まっても、十分に飛行し着陸できる機構となっている(なるほど、関西国際空港を飛び立ってから、ロスアンゼルスやダラスまで12時間余りも回りっぱなしなんだから、思えばスゴイ技術だよね)。 飛行機に乗るのが怖いという人、一度読んでおくと少しは効き目があるかも…。


 ついつい筆が走ってしまった(反省)。本書の内容から、おもしろそうな項目をひろっておくね。
座席の構造と配置/客室の与圧と空調/ギャレー・調理室/トイレの科学/翼の構造/あんなブレーキこんなブレーキ/旅客機を支える脚/車輪とタイヤ/エンジンが全部止まった!/旅客機の洗濯…

※なお、不満を一つ。JALもANAも写真やイラストが載っているのに、私ごひいきのが故意か偶然か、まったく載っていない。寂しい。よって、このページはJASカラーでまとめてみた。
 

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